グリーフケアとは?

「グリーフケア」という言葉を耳にした方も多いのではないでしょうか。
グリーフケアとは、大切な人との死別により喪失感によって生じる深い悲しみから立ち直るための支援のことを指します。
最近、関心の高まっているグリーフケアについてわかりやすく解説します。

グリーフケアの意味

グリーフ(Grief)は英語で「悲嘆」を意味します。
ケア(Care)の意味は「世話」です。
つまり、「グリーフケア」とは、大切な人との死別を体験して悲嘆の中にいる人に寄り添い世話をすることで、深い悲しみから立ち直らせることです。

大切な人を失うと、大きなショックや深い悲しみを感じます。
悲嘆は正常な反応であり、誰もがこの悲嘆のプロセスを歩みます。
大きな悲しみは自分ひとりだけで乗り越えようとすると時間がかかったり、あまりの辛さに乗り越えられなかったりすることもあります。
グリーフケアによって心の傷に寄り添い、再び日常生活を送れるようにサポートを行います。

日本でのグリーフケアの歴史

日本でグリーフケアの研究が始まったのは1970年代頃です。
核家族化が進み、死にどのように向き合うべきかわからない人が増えたことが理由とされています。
具体的に日本でグリーフケアが広まったきっかけは2005年の福知山脱線事故です。
さらに2011年の東日本大震災においてもグリーフケアがより広く認知されるようになりました。

悲嘆のプロセス

大切に人を失うと誰しもが深い悲しみを感じ、以下の4つの心理的プロセスを歩むことを理解することが大切です。

1.ショック期(無感覚になる)

死別のタイミングでは、茫然として無感覚の状態になります。
心が麻痺してしまうため、大切な人が亡くなったという事実を認めることができないこともあります。
また、正常な判断ができずパニック状態になることもあります。

2.喪失期(感情が不安定になる)

死を現実として受け入れ始めますが、まだ完全に受け止められない段階です。
故人に会いたいと切望したり、落ち込みや悲しみが襲ってきます。
故人がまだ生きているように思うこともあります。
この段階では、しっかり悲しみ泣くことが重要です。

3.閉じこもり期(無気力になる)

死を受け入れることはできたものの、うつ状態になり無気力になる段階です。
故人に何もしてあげられなかったという自責感や怒り、絶望など混乱した感情をもつ傾向にあります。

4.再生期(活動的になる)

故人の死を乗り越えて、積極的に社会や他人と関われるようになります。
新たな自分や生きがいを見つけていく段階となります。

ショック期から再生期までの期間は個人差はありますが、配偶者の死別の場合で1~2年、子どもの死別の場合は3~5年といわれています。

グリーフケアが必要となる症状

1.心理的症状

怒り・敵意・不安・孤独・絶望・うつ・幻覚など

2.身体的症状

睡眠障害・食欲減退・頭痛・嘔吐・疲労感・アルコールや薬の依存など

3.行動的症状

号泣・動揺・故人の行動の模倣など

4.認知的症状

集中力の低下・思考速度の低下など

上記の症状がでているにも関わらずケアせずにそのまま放置しておくと、うつ病性障害・不安障害・PTSD(心的外傷ストレス障害)などの疾患的症状になる可能性もあるので注意が必要です。

グリーフケアの考え方

グリーフケアの基本的な考え方は、悲嘆の表現として現れる感情や行動を自然なものとして共に受け止めることです。

1.悲しむことを肯定する

日本人は気持ちを表現するのが苦手だといわれています。
特に男性は体裁を気にして感情を抑え込む傾向にあります。
この悲嘆感情は人として自然で正しいものとして肯定してあげることが大事です。

悲しまないように励ましたり説得したりしても解決にはつながりません。
不用意な励ましや勇気づけは本人を苦しませることとなり、逆効果となることもあります。

2.悲嘆を表現させる

故人について会話したり故人への手紙を書いたりすることで自己表現してもらいます。
写真や遺品など故人を連想しやすいものが手元にあると感情表現がスムーズに進むでしょう。
死と向き合うことで感情を吐き出すようにサポートすることもグリーフケアのひとつです。

3.儀式の利用

通夜や葬儀といった儀式のほか、お別れ会や偲ぶ会など積極的に利用していくとよいでしょう。
また、故人との記念日や命日、誕生日など塞ぎこみがちですが、乗り越えるためにはよい機会ですのでしっかりと受け入れることが大切です。

4.アルコールや薬に依存させない

アルコールや精神安定剤には、高ぶった感情を落ち着けさせる効果があります。
しかし、多用することにより身体、精神ともに悪影響を及ぼすものであるため十分な注意が必要です。

グリーフケアを行っている人

基本的にグリーフケアは遺族の身近な人たちが行います。
深い悲しみを乗り越えるには時間がかかるため、家族や友人など周りの方のサポートが重要です。
その他、医療機関や専門家が行うこともあります。
一般的にグリーフケアを行うのは以下の人たちといわれています。

  • 家族・親族
  • 友人・知人
  • 医療関係者・宗教家・葬儀関係者
  • 精神科医・カウンセラーなどの専門家
  • 公的機関
  • 自助会・傾聴ボランティアなど

上記の従事者の中には、グリーフケアアドバイザーやグリーフケアカウンセラーなどの資格を取得している人もいます。
公的な資格ではありませんが、講座やセミナーなど各地で開催されていますので興味のある方は参加してみてはいかがでしょうか。

まとめ

大切な人を失った悲しみは深く大きなものです。
悲しみが大きすぎて受け止められない場合、「故人のことを思い出したくない、話したくない」ということもあるでしょう。
この場合には無理矢理聞き出すことは避け、少しずつ悲しみを受け止められるようにサポートしましょう。

思い出すことが辛い時期には、思い出の品を処分したくなることがあるかもしれません。
後々後悔しないように、一時の感情で処分しないようにすすめることも大事です。

グリーフケアは大切な人の死を乗り越えるために必要なものです。
グリーフケアの基本はただ遺族の感情を認めながら話を聞いてあげること。
そばにいて不安やショックを分かち合うことで悲しみの感情を和らげてあげることができます。
グリーフケアによって遺族が前向きに人生を送れる日が訪れることでしょう。

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